海外で活躍する日本の建設会社にはどこがある? ゼネコン15社の得意分野と世界ランキング

日本の建設会社は、北米やアジア、欧州、中東などで、建物や交通インフラ、港湾の建設を手がけています。鹿島建設の2026年3月期の海外売上高は約1兆950億円、海外売上高比率は35.7%。海外事業は大手各社の経営でも大きな位置を占めています。本記事では、スーパーゼネコン5社と、海洋土木や橋梁、地域での実績に強みを持つ10社を紹介します。ENRの2026年版ランキングも取り上げ、海外で得た建設売上高から見た日本企業の位置を確認します。ただし、各社が開示する海外売上高や受注高は集計範囲が異なります。単純な規模の比較にとどまらず、進出地域や得意な工事から各社の特徴を見ていきます。

Q&A

Q1海外で活躍する日本の建設会社はどこですか?

鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店などの大手に加え、東亜建設工業や五洋建設のように海洋土木を得意とする会社、東南アジアに実績を持つナカノフドー建設などがあります。本記事では15社を紹介しています。

Q2鹿島建設の海外売上高はどれくらいですか?

2026年3月期は約1兆950億円で、海外売上高比率は35.7%でした。北米やアジアを中心に海外事業を展開しています。

Q3日本の建設会社は世界ランキングで何位ですか?

ENRの2026年版「Top 250 International Contractors」では、鹿島建設が21位、大林組が23位、竹中工務店が61位、清水建設が63位などとなっています。本国以外で得た建設売上高に基づく順位です。

Q4海外に強い建設会社は、売上高だけで比較できますか?

各社の海外売上高や受注高は、対象期間や集計範囲、開示方法が異なります。数字に加えて、進出地域や橋梁・海洋土木・建築などの得意分野を見る必要があります。

北米の建物、東南アジアの橋や港湾、世界各地の工場や空港。日本の建設会社が働く現場は、国内のビルや道路に限りません。鹿島建設では、2026年3月期の海外売上高が1兆円を超えました。

米国の建設専門誌「ENR」によると、2026年版「Top 250 International Contractors」に入った250社の海外建設売上高は、前年から9.7%増えて5,506億ドルに達しています。日本企業も、その市場で世界の建設会社と競い合っています。

海外で強みを持つのは、大手だけではありません。特定の地域に長い実績を持つ会社や、橋梁・海洋土木を得意とする会社もあります。15社の事業を紹介します。

スーパーゼネコン5社は、海外で何を手がけている?

鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店は、スーパーゼネコン5社と呼ばれます。いずれも海外に事業を展開していますが、海外売上高や海外受注高の開示方法はそろっていません。公表された数字と事業の特徴を併せて見ていきます。

鹿島建設

鹿島建設は、北米やアジアを中心に海外事業を展開しています。2026年3月期の海外売上高は約1兆950億円で、海外売上高比率は35.7%でした。

北米では建築、アジアでは都市開発など、地域ごとに異なる事業を手がけています。海外だけで1兆円を超える売上高を持ち、経営の大きな柱となっています。

大林組

大林組は北米、アジア、オセアニアなどに拠点を持ち、建築と土木の両分野で事業を行っています。海外建築・土木の売上高は約8,400億円規模です。北米では現地企業のM&Aなども活用し、事業基盤を広げています。

竹中工務店

東京タワーやあべのハルカスなどを手がけてきた竹中工務店は、海外でも建築を中心に事業を展開しています。アジア、欧州、北米などに拠点を置き、海外建設事業の売上高は2,000億円を超える規模です。

清水建設

清水建設は東南アジアや中東などで、オフィスビル、工場、医療施設といった建物を手がけてきました。海外では建設に加え、不動産開発にも取り組んでいます。

大成建設

大成建設は東南アジアをはじめとする海外市場で事業を行っています。建築とともに、道路、鉄道、空港などの大型インフラを手がける点も特徴です。

※海外売上高は、会社によって対象期間や集計範囲、開示方法が異なります。本文の数値をそのまま並べて順位づけしたものではありません。

海外建設売上高で見た、日本企業の世界順位

ENRの「Top 250 International Contractors」は、各社が本国以外で得た建設売上高を基準にしたランキングです。2026年版では、日本からも次の企業が入っています。

企業世界順位
鹿島建設21位
大林組23位
JGCホールディングス39位
千代田化工建設49位
竹中工務店61位
清水建設63位
五洋建設102位
大成建設109位

※ENR「Top 250 International Contractors 2026」の順位。本国以外で得た建設売上高が対象です。本文で紹介するゼネコン15社とは別に、表にはJGCホールディングスや千代田化工建設などのエンジニアリング企業も含みます。

地域や工事の専門性を生かす10社

ナカノフドー建設

ナカノフドー建設は、国内の建築・土木に加え、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムなどで海外建設事業を展開しています。海外売上高が全体の約4割を占める年度もあり、東南アジアでの実績が特徴です。

三井住友建設

三井住友建設は、橋梁などの土木分野を得意とする建設会社です。国内とともに、東南アジアなどの海外でも橋梁やインフラ関連の工事を手がけています。

東亜建設工業

東亜建設工業は港湾・海洋土木に強みを持ちます。港湾施設、空港、護岸などのインフラを国内外で整備し、海外の港湾開発にも携わっています。

五洋建設

五洋建設も海洋土木を得意とする会社です。シンガポールをはじめとする東南アジアなどで、大型の港湾・インフラ工事に取り組んでいます。海上空港や港湾のような、専門性を要する建設が強みです。

熊谷組

熊谷組は海外でも長い事業実績を持ちます。特に東南アジアでは、オフィス、ホテル、工場、インフラなどを手がけてきました。地域に根ざし、建築と土木の両方で事業を進めています。

前田建設工業

前田建設工業は建築・土木に加え、インフラの運営や事業開発にも取り組んでいます。海外でも建設技術を生かして事業を展開しています。

建設業界では、完成した施設の運営や維持管理まで関わる事業が広がっています。建てた後の仕事にも目を向けられる会社です。

西松建設

西松建設は、海外で建築と土木の両分野を手がけています。アジアを中心に、蓄積してきた建設技術や工事全体を管理する力を生かして事業を行っています。

戸田建設

戸田建設は、病院、研究施設、教育施設などの建築に強みを持ちます。海外でも建築事業を展開し、国内で培った技術やノウハウを生かしています。

安藤・間

安藤・間は、建築と土木の両方を手がける総合建設会社です。アジアなどで事業を展開し、建築物やインフラ整備など、幅広い海外工事に関わっています。

フジタ

フジタは、大和ハウスグループの中核を担う建設会社の一つです。アジアを中心に、工場、物流施設、オフィスなどを建設しています。グループの海外事業と連携できることも強みです。

日本の建設会社が海外へ向かう理由

日本では人口減少と少子高齢化が進み、長い目で見れば国内の建設市場だけに依存することは難しくなっています。一方、人口増加や都市化が続く地域では、住宅、商業施設、工場、道路、鉄道、空港、港湾などの需要があります。

特にアジアでは、経済成長に伴う都市インフラの整備が進んでいます。日本の建設会社にとって、そうした市場は新しい需要を取り込み、自社の技術を生かせる場所です。

海外の現場では、資材や人を集める仕事もある

港を整備する、工場を建てる、道路や橋をつくる、都市を開発する。その後の施設運営や維持管理まで含めると、海外の建設事業には多くの仕事があります。

工事を進めるには、現地企業と協力し、スタッフを採用し、資材や資金を調達する必要もあります。建設技術に加え、金融、都市開発、環境などの知識が関わる場面です。

海外で働きたいなら、会社の規模だけでなく、どの国で何をつくり、その現場をどう動かしているかまで調べてみる。橋や港、工場という具体的な仕事から探すと、建設業界の選択肢を広げられます。

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