きのこを工場で育てる会社にはどこがある? ホクト・ユキグニファクトリー・一正蒲鉾の事業を比較

スーパーで一年を通して買えるきのこの背景には、栽培環境を管理し、計画的に生産する企業があります。今回紹介するのは、ホクト、ユキグニファクトリー、一正蒲鉾の3社です。複数の品目を国内外で展開する会社、まいたけを主力にする会社、食品メーカーとしてきのこを育てる会社と、事業の成り立ちは異なります。記事では会社全体の売上を一律に並べず、きのこに関係する事業の売上や生産量から規模を確かめます。工場で栽培していても、販売価格や暑さへの対応、エネルギー費は経営に影響します。生産の仕組みと収益の両面から、きのこビジネスの特徴を見ていきます。

Q&A

Q1きのこを生産する企業にはどこがありますか?

ホクト、ユキグニファクトリー、一正蒲鉾などがあります。この記事では、公表されているきのこ事業の売上や生産量を使って3社を紹介しています。

Q2雪国まいたけは今、何という会社名ですか?

現在の社名はユキグニファクトリーです。まいたけを主力としながら、エリンギやぶなしめじなども扱っています。

Q3かまぼこの会社がきのこも育てているのですか?

一正蒲鉾は1996年にまいたけ事業へ参入しています。2026年6月期の決算説明会では、きのこ事業の売上高を約39億円と説明しています。

Q4工場で育てるきのこは、天候や物価の影響を受けませんか?

影響を受けます。一正蒲鉾は猛暑対策を行っており、エネルギー費や人件費、物流費の上昇も事業の負担として挙げています。工場栽培でも環境管理と費用の管理が必要です。

「工場で育てる農業」を、きのこ企業から見る

きのこ栽培では、生育のための環境を整えながら、生産と販売の量を合わせていきます。工場での生産という切り口から見ると、栽培技術に加え、商品開発や売り場での提案までが事業を左右することが分かります。

今回選んだ3社は、きのこ事業の数字を公表しています。ただし、同じ事業名でも含む品目や地域は異なります。表は規模の目安として使い、各社の説明とあわせて読んでください。

企業比較する事業売上対象期
ホクト国内きのこ事業560.77億円2026年3月期
ユキグニファクトリー茸事業374.71億円2026年3月期
一正蒲鉾きのこ事業約39億円2026年6月期

各社の事業別の売上高・売上収益。ホクトは国内のみ、ユキグニファクトリーは海外を含む茸事業で、対象範囲は一致しません。一正蒲鉾は決算説明会で示された億円単位の概数です。生産量や市場シェアの順位ではありません。情報確認日:2026年9月16日。

ホクト

ホクトの2026年3月期の国内きのこ事業の売上高は560.77億円でした。別に海外きのこ事業もあり、こちらの売上高は82.36億円です。会社全体では加工品や化成品なども扱うため、全社売上ときのこ事業の売上を区別する必要があります。

連結ベースの年間生産量は、ブナピーを含むブナシメジが46,876トン、エリンギが15,925トン、マイタケが15,655トンでした。金額に加えて量を見ると、日常の食卓へ供給する規模を実感できます。

生産量を確保する一方で、同社は品種改良も続けています。2025年11月には、食感や見た目を改良したエリンギを発売しました。安定して育てる技術と、消費者が選びたくなる商品の開発。その両方に取り組む企業です。

ユキグニファクトリー

「雪国まいたけ」の旧社名で知られるユキグニファクトリーは、まいたけに加え、エリンギやぶなしめじなどを生産・販売しています。2026年3月期の茸事業の売上収益は374.71億円でした。

そのうち、まいたけの売上収益は202.64億円。茸事業の約54%に当たり、まいたけが主力であることが数字から分かります。この割合は同社の事業内での構成比であり、国内市場のシェアではありません。

同社は品種や生産に加え、商品の量や形にも工夫を凝らしています。まいたけでは大株を大ぶりにカットした商品などを展開し、エリンギでもカット製品や量目の違う商品を用意しています。同じきのこでも、調理の手間や買いやすい量に目を向けると、商品開発の余地が生まれます。

一正蒲鉾

かまぼこなどの食品で知られる一正蒲鉾は、1996年にまいたけ事業へ参入しました。同社が紹介する生産拠点には、練り製品の工場とともに、まいたけのバイオセンターがあります。

2026年6月期の決算説明会では、きのこ事業の売上高を約39億円と説明しています。同事業は営業赤字で、安定して栽培することと、利益を確保することが別の課題であると分かります。

会社の説明によると、猛暑対策によって栽培は安定したものの、エネルギー費や人件費、物流費などが負担になりました。きのこを育てる設備があっても、収穫後の販売や費用の管理まで含めて事業を考える必要があります。

まいたけの値札と、工場の電気代

一正蒲鉾のきのこ事業は、猛暑対策で栽培が安定しても営業赤字でした。育てた量を増やすだけでは、エネルギー費や人件費、物流費の負担を埋めきれません。工場で計画的に育てるきのこにも、売値と費用の間で利益を残す難しさがあります。

ホクトはエリンギの食感や見た目を改良し、ユキグニファクトリーはカットの仕方や量目を工夫しています。スーパーで一パックを選ぶときに目にする違いも、各社が手をかけている部分です。きのこの会社の仕事は、収穫した先の売り場まで続いています。

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