日本の農機メーカーは海外でどれくらい売れている? クボタ・ヤンマー・井関農機を比較

日本の農機メーカーの事業は、国内の田畑を大きく越えて広がっています。クボタ、ヤンマー、井関農機の海外売上高比率を見ると、海外との関わり方にも違いがあります。直近の通期実績では、クボタが77.3%、ヤンマーが59.7%、井関農機が30.3%でした。ただし、この比率は各グループ全体の数字であり、農業機械だけの海外販売比率ではありません。この記事では、海外売上の規模と比率、事業の範囲を確かめながら3社を紹介します。決算期や扱う製品の違いも踏まえ、日本の農機メーカーがどのように海外市場と関わっているのかを整理します。

Q&A

Q1クボタの売上は海外がどれくらいを占めますか?

2025年12月期は海外売上高2兆3,337億円、海外売上高比率77.3%でした。農業機械以外も含むグループ全体の数字です。

Q2ヤンマーと井関農機の海外売上高比率は何%ですか?

ヤンマーは2026年3月期で59.7%、井関農機は2025年12月期で30.3%です。決算期間と事業の範囲が異なる点に注意が必要です。

Q3海外売上高比率が高い会社ほど、農機の海外シェアも高いのですか?

この比率だけでは判断できません。自社の売上に占める海外の割合であり、市場全体に占める販売シェアではないためです。農業機械以外の売上も含まれます。

海外売上高比率から見る、3社の事業の広がり

農機メーカーの名前を聞くと、トラクターや田植機を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、企業によっては建設機械、エンジン、水関連の設備なども手がけています。海外比率を読むときは、まず集計の範囲を押さえる必要があります。

ここでは3社が公表した直近の通期実績を使います。海外への依存度や事業規模を知るための比較であり、農機の性能や海外での競争力を順位付けするものではありません。

企業海外売上高海外比率対象期
クボタ2兆3,337億円77.3%2025年12月期
ヤンマーホールディングス7,296億円59.7%2026年3月期
井関農機563億円30.3%2025年12月期

各社の連結・グループ全体の通期実績。海外売上高は億円単位の公表値、比率は各社公表値を使用しています。農業機械以外の事業を含み、決算期間も一致しません。海外農機市場のシェアを示すものではありません。情報確認日:2026年9月16日。

クボタ

クボタの2025年12月期の売上高は3兆189億円でした。このうち海外は2兆3,337億円で、海外売上高比率は77.3%。グループの売上の約8割を海外が占めます。

農業機械に加え、建設機械やエンジン、水・環境関連の事業を持つ点が同社の特徴です。国内農業の動向だけを追っても、企業全体の事業はつかめません。海外比率の高さは、そのことを端的に表しています。

ただし、77.3%を「農機の77.3%を海外で売っている」と言い換えるのは誤りです。農機以外も含めた海外事業の厚みを示す数字として読むと、クボタの広がりを捉えやすくなります。

ヤンマー

ヤンマーホールディングスの2026年3月期のグループ売上高は約1兆2,220億円、海外売上高は7,296億円でした。海外比率は59.7%で、海外が過半を占めます。

ヤンマーは農業機械のほか、小形産業用エンジン、建設機械、船舶関連などを展開しています。同じグループの技術や製品が、田畑の外でも使われる事業構成です。

同社の決算説明では、農業機械の海外販売は地域によって動きが分かれました。欧米やトルコなどの弱さに対し、中国、インド、東南アジアなどでは増加したとしています。「海外」を一つの市場として扱わず、地域ごとの需要を見る必要があることが分かります。

井関農機

井関農機の2025年12月期の連結売上高は1,857億円、海外売上高は563億円です。海外比率は30.3%で、今回の3社では国内売上の割合が最も高くなっています。

海外売上の地域別内訳を見ると、欧州が385億円、北米が104億円、アジアが69億円でした。欧州の売上が海外全体の約7割に当たり、同社の海外展開を知るうえで外せない地域です。金額はいずれも億円単位の公表値を使っています。

海外では芝刈機などの景観整備用機械や小型トラクターも扱っています。日本の水田作業を前提にした農機のイメージにとどまると、こうした需要を見落とします。海外比率の大小とあわせて、何を、どの地域に売っているかを見ると、井関農機の特徴が見えてきます。

日本の田んぼから、欧州の芝生まで

井関農機の海外売上563億円のうち、385億円を占めるのが欧州です。そこで扱うのは小型トラクターや景観整備用の機械。日本で見慣れた田植機だけを思い浮かべていると、同じメーカーの別の仕事を見落とします。

クボタは建設機械や水・環境関連、ヤンマーはエンジンや船舶関連にも事業を広げています。海外比率の差には、売る地域に加え、こうした製品構成の違いも含まれます。「日本の農機メーカー」という呼び名から想像するより、3社が働く場所はずっと広いのです。

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